日本・チェコ航空協定
- 合田哲郎
- 7月17日
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一昨日の7月15日、「航空業務に関する日本国とチェコ共和国との間の協定」(日本・チェコ航空協定)について、日本はチェコに対し、その効力発生のために必要な国内手続が完了したことを確認する通告を行い、その効力発生に必要な全ての手続が終了。
これにより、この協定は本年10月1日に発効することになります。
この協定は、日本・チェコ間の定期航空業務の安定的な運営を可能にする法的枠組みを定めるものであり、定期航空業務を運営する権利を相互に許与し、輸送力決定の基本原則、運賃に関する原則及び手続、航空機が使用する燃料等に関する関税等の免除、航空保安及び安全のための措置の確保等について規定するものです。
この協定の締結により、我が国とチェコとの間の人的交流及び経済的交流が一層促進されることが期待されます。
日本はチェコを含めて55か国と航空協定を締結。旧東欧と言われる国では他にポーランドやハンガリーがチェコよりだいぶ前に発行しておりました。
航空協定が締結されると二国間の直行便が就航できることになります。現況では日本からチェコへは乗り換えなしでは行けません。しかし10月1日以降は日本やチェコの航空会社が成田~プラハなどの便を開設できます。
就航する航空会社ですがチェコ系の場合、世界で五番目に古かったチェコ航空が廃業となり、チェコの航空会社で極東まで自社で運行出来る会社はございません。そこで日系、JALかANAになります。元々プラハをハブ空港とするチェコ航空は航空連合ではスカイチームに属していたため、ワンワールド系の日本航空やスターアライアンス系の全日空の就航は難しいとみられておりました。何故なら欧州と日本を結ぶ便の乗客の多くは日本人であり、例えば成田発ヘルシンキ行きの乗客の多くがヘルシンキで降機するのではなく、ヘルシンキ空港で乗り継いで他都市に向かうからです。ヘルシンキと欧州内を結ぶネットワークがあるからこそ就航できる路線でした。
しかし昨今のインバウンド人気で、日本への訪日旅行者を取り込める点を考えると日系の航空会社の就航の可能性は大変高まりました。現在、東アジアの空港では中国の北京、台湾の台北、韓国の仁川がプラハとの間に直行便を飛ばしております。これらの空港で入国する乗客も含め、これらの空港での乗り継ぎにも対応する路線となります。仁川で乗り換えて岡山に飛ぶ、台北から那覇行きに乗る、など。日本路線が出来た場合は日本の国内線への乗り換えが大事になります。
ここで問題になるのが日本のどこの空港とプラハ空港を結ぶのか。乗り継ぎを考慮したら日本で一番利用者が多い羽田空港ですが、枠のことを考えると一番の有力は成田空港です。しかし、チェコの日系企業を考慮すると中部国際も侮れない。トヨタ自動車やトヨタのサプライヤーの多くは愛知県内に本社がございます。
尚、日本とチェコの間に直行便が年内に就航となれば、東京ドームで試合をするWBCチェコ代表はこの便に乗る確率は高くなります。